ユーザーインタビュー

第25回 レコーディングエンジニア 瀧田 洋平(TAKITA YOHEI) 氏


―この度は取材をお受け頂きありがとうございます。
瀧田さんとはもう10 年以上のお付き合いさせていておりますね。どうぞよろしくお願いします。 ―瀧田さんのエンジニアまでの道のりをお聞きした良いですか?



瀧田氏)センターレコーディングスクール出身です。



――懐かしい。センター出身のエンジニアさんって優秀なイメージアあります。現場重視、即戦力という。



瀧田氏)そうですか。(笑)どうなんでしょう。



―そこを経て。



瀧田氏)リトルバッハ原宿ですね。研修生から入って。そのあとにバーディーハウスです。



―バーディーハウスは何年くらい在籍されたんですか。



瀧田氏)リトルバッハ2 年、バーディハウスが6 年ですかね。



―バーディーハウスではいろいろと経験されて、文化村スタジオもありましたね。その後BAD MUSIC へと。



瀧田氏)そうです。バーディーハウスでは鍛えられました。接客も含め。中途でスタジオに入ると求められること、作業内容も違うのでかなり苦労しましたね。


―プレッシャーが。



瀧田氏)そうなんですよね。



―ここではメインエンジニアとして。



瀧田氏)そうですね。たまに外のスタジオでも仕事したりとか。



―もうBAD MUSIC さんは⻑いんですね。



瀧田氏)ええ、もう12 年くらいですね。



―BAD MUSIC さんはアーティストも抱えて、やはりロック系が多いんですか。



瀧田氏)そうですね。BAD MUSIC 自体も歴史は⻑くて、色んなロックバンドがいます。



―そうなんですね。歴史ある会社ですね。瀧田さん自体のスタジオワークは20 年くらい。



瀧田氏)そうですね。20 年くらいですね。



瀧田氏)そうですね。テープメディアはあまりなくて。そしてまだコンソールでミックスする時代だったので、それを経験できたのは良かったです。



―リトルバッハ時代、10M 以外に何かモニタースピーカーは使いましたか?



瀧田氏)Genelec のS30 だったかな。ありましたね。



―懐かしい。あれ良いですよね。あの時代はアナログアンプだし。良いですよね。



瀧田氏)腰があって。バーディーハウス時代は10M は常設で各エンジニアさんが持ち込んだりとか。ニアフィールドでパワードで作業するのが主流になっていましたね。



―その時はどんなスピーカーが多かったですか。



瀧田氏)Genelec の全盛期ですね。Adam もありましたね。KRK とか。



―瀧田さんは自分でモニタースピーカーを購入した経験としては。


瀧田氏)KSD C8-Reference の前にHEDD のスピーカーでした。このスタジオでは10M とAmcron のシステムでこれも好きで。でもそれだけだと低域のあたりは自分の勘に頼る部分が多くて。HEDD も使っていましたが10M の出番多かったですね。



―HEDD はどういう経緯で。



瀧田氏)店頭で試聴して。ハイファイ過ぎないし、印象は良かったです。



―そして最初C8 の印象はどうでしたか。



瀧田氏)スピード感、KSD の特⻑として。10M もそういうのはあって。痛いところはちゃんと痛く再生してくれる。2K から3K あたり。そこが足らないと地味になってしまうので。ギターとかですけど。やりすぎるとキンキンしちゃうし。ここはオルタナが多いので。キンキンしちゃうとハードロックみたいになっちゃう。そこの判断というか。でも300Hz から1KHz って判断難しいですね。



―なるほど。アコースティックな部分も考えると難しいですね。



瀧田氏)もちろんこのスタジオでは自分主導というより、他の人も使うので10M のほうが優先されるときもありますが、導入するときにそのあたり大丈夫かなあって思ったりもしましたが、でも全然C8 に対してはクレームもなく。



―そうですよね。



瀧田氏)後々になって「そういえばスピーカー変えたんだね。」くらいの感じでした。



―ここはエンジニアさんは何人かいらっしゃいますか。



瀧田氏)僕ともう一人。もう一人の先輩は別のスピーカーを使っています。



―じゃあそれぞれ載せ替えながら。



瀧田氏)そうです。僕は低域の作り方とかC8 のほうが全然良くて。見えてないと打率も下がるから。



―C8 購入時、他にも候補はありましたか。



瀧田氏)ええ、あの時いろいろ試しました。同軸以外もですね。すごく低域が豊かなスピーカーもありました。でも特に同軸にこだわりがあったわけではなくて。ベアフット、アンフィオンも印象が良かったです。



―KSD を選んだ理由は?



瀧田氏)選んだ理由は自分が判断しやしやすいかどうか、だけなんですけど。確かC88 も聴かせていただいてこのスタジオだとtoo much でした。低域が。



―なるほど。



瀧田氏)このC8 もお借りした専用リモコン(KSD-RC)で低域を少し調整して。少し絞りました。



―部屋のサイズとしてはちょうどいいのかもしれませんね。



瀧田氏)もうそれこそ0.5dB 下げたとかくらいです。



―最近低域の豊かな楽曲だったり、重要なファクターとされるという話をよく聞くのですがいかがですか?


瀧田氏)そうですね、そこを重要視する方とそうでない方と別れるとも思いますね。ミュージシャンの方でも、スーパーロー的なものを出してほしいというときと、そうでもない時と。バンドものでも打ち込みが加わったものとか。うちの事務所のバンドは打ち込みとかそういうところは少ないので、そういうのではないですけどね。あえてそこを出すつもりはないですけど、足りな過ぎても良くはないと思うので。ちゃんとスピーカーで聴いても低域も迫力があるようにと思っています。



―そういう意味でKSD C8-Referenceはどうですか。


瀧田氏)判断がしやすいというか。勘に頼ることなく。でも結局低域の部分のジャッジっていかに再生できるものであってもなかなか正確なジャッジって難しと思っていて。でも前よりは判断しやすくなっています。出すぎたり、足らなすぎるとか、そういう事がなくなってきてるかなあって。その判断の頻度、確率が上がってきている。



―その辺もモニタースピーカーに期待する時代なのかなあって。


瀧田氏)そうですね、こういう難しい判断するものに関しては出していてほしいですね。当然そこは。スピーカーからは出ていてほしい。こっちが出すか出さないかじゃなくて。



―そうですよね。C88 も好評で特に音楽作る側のアーティストさんも含めて。



瀧田氏)エンジニア、制作も含めて広く再生してくれているものでやるべきかもしれないですね。良いものを作るうえで。



―イヤホンが主流ですし、リスナーもワイドレンジで聴いていますしね。

瀧田氏)あとこれは正しいかどうかですけど、プラグインが進化していて、波形で判断したりとかそういう進化もありますね。今までコントロールできなかったことが今はできて。昔のアナログコンソールだとコントロールできなかったことが今はできたりします。



―そうですよね。スピーカーに対する要求も高くなりますね。



瀧田氏)たまにわかりすぎちゃって、逆に切りすぎたりすると、それがあながち良い結果でもなく。



―見えすぎて。



瀧田氏)こねくり回しても良くないですね。でもそれくらい良く見えてくれるスピーカーです。判断として。



―貴重なご意見ありがとうございました。これからも宜しくお願い致します。


<プロフィール>

瀧田 洋平(TAKITA YOHEI)氏

レコーディングエンジニア

1981 年 神奈川県出身

2003 年 リトルバッハ

2005 年 バーディーハウス

2011 年 BADMUSIC GROUP